歯科治療にかかる医療費が高額な欧米では、古くから予防治療は常識です。昔の日本で「歯医者」といえば、むし歯が痛みだして慌てて駆け込むお医者さんでした。しかし、近年になって日本でも「予防治療」という言葉が定着し、日本人の歯への意識も高くなってきていることを感じます。
これは大きな間違いです。歯を失う原因は年齢を重ねるからではなく、残念ながら、むし歯と歯周病が9割です。しかし、その9割の人が全員歯を磨いていないということはあり得ません。では、なぜむし歯や歯周病になってしまったのでしょうか?
むし歯や歯周病の原因は、間違った歯磨きによる「磨き残し」です。毎食後に丁寧に歯磨きを行い、お口の中に食べかすを残さない習慣をつけることが大切です。2~3ヶ月毎に歯科でクリーニングを行い、初期むし歯があれば適切な処置を行うようにしましょう。
初期むし歯は、歯の表面のエナメル質に穴が空き、むし歯菌が歯の内部に入り込みやすくなった状態です。この段階でむし歯を発見することができれば、フッ素塗布で再石灰化を促して、歯を削ることなくむし歯を治すことが可能です。
患者様がご自身でできるセルフケアの方法はいくつかあります。 ご自身に合った方法で、むし歯になりにくい口中環境を保つようにしましょう。
歯磨き
歯ブラシを細かく動かすようにして、時間をかけて磨いてください。特に、歯垢が残りやすい奥歯や歯のすき歯、歯の裏側は丁寧に磨くようにしましょう。歯ブラシは1ヶ月に1本を目安に新しいものに交換し、フッ素配合の歯磨き粉を使用すると効果的です。
デンタルフロス
歯ブラシの毛先が届きにくい、狭い歯のすき間の歯垢を取り除くのに使用します。歯を磨いた後に使用すると効果的です。
デンタルリンス
薬用成分をお口の隅々まで行き渡らせて洗浄し、細菌の増殖を抑えます。睡眠中は唾液の分泌量が減少し細菌が繁殖しやすくなりますので、夜眠る前に使用すると効果的です。
歯に痛みや違和感を感じたらまずはご相談ください